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 パソコンでウェブサイトを閲覧中に、セキュリティ警告が突然表示され、「電話をかけてパソコンを遠隔操作され、金銭を請求された。」「遠隔操作等をインストールされ、不正送金された。」という被害が発生しています。

 これは、偽のセキュリティ警告を表示させて、慌てた被害者に偽のサポート窓口に電話をかけさせ、その上でサポート料金と称した金銭をだまし取る「サポート詐欺」と呼ばれる手口です。
このセキュリティ警告の内容は全て嘘であり、お使いのパソコンがウイルスなどに感染したため表示されたものではありません。

1.5つの典型的な偽セキュリティ警告の特徴(※)

 偽セキュリティ警告の手口は、インターネット閲覧中のブラウザ画面上に、本物に見せかけたセキュリティ警告を表示して、解決のために記載してある電話番号に電話をかけさせようとします。そのため、様々な誇大表現で危険性を訴えかけ、冷静な判断を妨げるよう仕組んでいると考えられます。

(1) 警告画面が次々と重なって開く


警告画面がいくつも重なって開き、しかも警告が全画面表示で固定されて「閉じるボタン」が隠され、画面を閉じることができない事例が多いようです。

いくつも重なった警告画面
図1:「警告画面が次々と全画面で開く」画面事例

(2) 警告音やアナウンスが流れる


以下の検証動画のように、耳障りな警告音や、テクニカルサポートを名乗る「ウイルス感染」などの警告アナウンスが大音量で延々と流されることがあります。


IPA『手口検証動画「偽のセキュリティ警告」』


(3) 実在する企業やサービスのロゴなどが表示される


マイクロソフト、マカフィーなど「企業名やロゴ」、またWindowsの標準機能からの警告を偽った表示が、繰り返し表示されます。

実在する企業やサービスの偽った企業名・ロゴ
図2:「実在する企業やサービスのロゴなどが表示される」画面事例

(4) サポート窓口の電話番号の表示


問合せ先の電話番号が、繰り返し表示されます。
特にマイクロソフトのサポート窓口を偽る手口が多く確認されています。

マイクロソフトサポート窓口の電話番号(偽物)
図3:「サポート窓口の電話番号の表示」画面事例

(5) 焦らせるような表現が目立つ


「たった今、スキャンして多数のウイルスが発見されてしまった」かのようなスキャン動画や、「今すぐ対応しないと個人情報が流出する」「無視すると被害にあう」「放置すると通報されてパソコンが使えなくなる」など、利用者に切迫感を与え、動揺させて電話をかけさせようとする表現が目立ちます。

焦らせるような表現の表示
図4:「焦らせる表現が目立つ」画面事例

2.被害に遭わないための対策(※)

(1) 警告画面記載の電話番号に電話をかけない

正規のセキュリティサービスでは「警告表示に電話番号を表示して電話をかけさせてサポートを行う」ということは通常ありません。したがって、警告画面に表示された電話番号は正規なものでない可能性が高いため、決して電話をかけてはいけません。
一度でも電話をしてしまうと、電話番号が相手に伝わってしまい、後から電話がかかってきた事例があります。かかってきたとしても、着信拒否にするか出ないようにしてください。



(2) 突然表示された警告画面のメッセージは立ち止まって冷静に対処する


ネット利用中に「突然ブラウザ上に表示された警告」は、偽警告の可能性が高いです。
特に<偽セキュリティ警告の特徴>で説明した特徴が表示されたときは、偽警告の可能性が高いと判断し、画面の指示に安易に従わないようにしてください。
偽警告と思われる画面が表示された場合は、まずブラウザの画面を閉じてください。


IPA『偽警告画面を閉じる手順書(PDF:833 KB)』
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/doe3um0000005cag-att/20231115173500.pdf



(3) 遠隔操作ソフトやセキュリティソフトはダウンロードもインストールもしない


電話誘導にて言われるがままパソコンを操作しないで下さい。遠隔操作ソフト等をインストールされてしまいます。



(4) 購入・契約しない


偽の警告画面か判断がつかない場合は、正規セキュリティベンダのヘルプデスクへ連絡し確認して下さい。
警告画面に表示された電話番号には連絡しないで下さい。


※出典:独立行政法人情報処理機構(IPA).“偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないで”. 情報セキュリティ対策.2024-6,
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/attention/2021/mgdayori20211116.html, (参照 2024-08-05) をもとに作成

3.参考情報

(1) IPA『偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ』
 https://www.ipa.go.jp/security/anshin/measures/fakealert.html


(2) 消費者庁『偽の警告表示に「Microsoft」のロゴを用いて信用させ、ウイルス駆除等を行うなどと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起』
 https://www.caa.go.jp/notice/entry/034736/


(3) 偽セキュリティ警告対策の啓発動画リンク
・IPA『手口検証動画「偽のセキュリティ警告」』
 https://www.youtube.com/watch?v=SP00wbawM1k
・IPA『その警告メッセージ、信じて大丈夫? ブラウザの“偽警告”にご用心!』
 https://www.youtube.com/watch?v=sm1UMc97zRc

・山形県警察本部広報相談課
「サポート詐欺」にだまされないで!(その1)警告画面に表示された番号に電話をかけると
 https://www.youtube.com/watch?v=sWftPO_l3r8&feature=youtu.be
「サポート詐欺」にだまされないで!(その2)犯人がPCを遠隔操作する
 https://www.youtube.com/watch?v=lElNtiVK-qU&feature=youtu.be
「サポート詐欺」にだまされないで!(その3、最終)犯人が金銭を要求!
 https://www.youtube.com/watch?v=NNEBT8ZAXL0&feature=youtu.be


・JC3(日本サイバー犯罪センター)
「サポート詐欺の電話番号に電話をかけてみた」
 https://www.youtube.com/embed/4eNJZFkQMgQ?feature=oembed



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